社会と事業の関係性

リーマン・ショックの後、世界経済は急速に落ち込み、産業が停止したため、多くの雇用が失われました。資本主義についての是非がずいぶん議論されました。儲かることが目的化してしまうと、暴走が止まらなくなり、逆に人を不幸にするようになります。

 

一方で、CSRを進めることが良いのですが、寄付型のCSRは予算が年初に設定されていますので、超過することは許されませんので、どうしても限界があります。予算の範囲内での社会貢献しかできないのです。

 

ビジネスそれ自体が社会課題の解決型であれば、事業が拡大すればするほど、社会へのギフトが多くなります。社会課題解決型のビジネスを拡大すれば、社会はどんどん良くなります。

 

単に地域、社会のステークホルダーの犠牲の上に立って、顧客や株主だけが喜ぶ事業は長続きしません。一例をあげると、工場で廃液処理をしなければ、その分コストがかからないので、低コストで製品ができます。それを安いと言って喜んで購入する消費者がいたり、コスト競争力高い、成長性が高いと言って企業の株を買う株主がいます。一方で、垂れ流した廃液のせいで、河川が汚染され、汚染物質にまみれた魚を食べた地域住民が病気になる。これでは株主と地域がWIN-WINの関係になりません。

 

2010年頃、スイスの世界的チョコレート会社が、原料のパーム油を増産するために、熱帯雨林を伐採し、オラウータンが死ぬなど生態系を破壊していると指摘されました。世界的に有名な国際環境団体が同社の看板チョコレート商品を買うこと=オラウータンを殺すことだという一大キャンペーンを行ったのです。その企業の主力のチョコレートがチェーンソーのごとく熱帯雨林の木々をなぎ倒し、オラウータンを切り刻んでいくという残酷な動画を作成しネットで大々的に流したのです。再生回数は150万回以上と言われています。(現在でも、パーム油、森林伐採オラウータンググると出てきます。)

 

私利私欲にまみれると社会から大変なしっぺ返しを食らうということです。事業というのは人の生活、生態系を含めた地域環境、社会の役に立たなければ、長続きしないのだと思います。

 

前振りが長くなりましたが、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーは、クリーンなエネルギーです。CO2を主体とする温室効果ガスをほとんど排出しません。気温上昇が収まれば気候変動を少なくできるかもしれません。一時期、CSRの一環として植樹をする企業が増えました。植樹自体は非常に良いイメージがありますが、CO2削減効果はあまり大きくないようです。現在、私が所有している発電所は1発電所で約5,000本の杉と同等なCO2削減効果があるそうです。4基持っているので、毎年2万本の杉を植えているのと同じです。一人ではとても2万本の植樹をすることは経済的にも、肉体的にも不可能ですが、太陽光発電所を持つと、それぐらい大きなインパクトで社会に貢献できるのです。

 

利益を稼ぐことはもちろん重要ですが、多くの方が公益性を意識し、事業を通じて環境に良いことを積み重ねていくと、より良い未来が実現できると思います。