技術分析① ~技術革新がもたらす恩恵~

太陽光発電所は、大きく分けると、発電する太陽電池と直流から交流に変えるパワーコンディショナー(通称、パワコン)の二つから成り立っています。私が技術面でもう一つ注目しているのは蓄電池です。まだ低圧、高圧の発電所に蓄電池が普及段階ではありませんが、蓄電池の技術革新が進むと、再エネ特有の不安定さが解消され、一気にマーケットが様変わりし、再生可能エネルギーが普及すると考えているからです。

 

まず、太陽電池ですが、NEDOが中心となって技術革新が進んでおり、発電効率はどんどん高くなっています。化合物の技術開発が進み最新技術では、発電効率が40%に達しているようです。しかしまだ特殊な技術であり、商用レベルになっていません。投資検討した2017年当時では、商用パネルの主流はシリコン多結晶パネルで、変換効率は17-18%ぐらいだったと思います。単結晶はもっと高効率でしたが価格が高く、産業用のパネルにはほとんど使用されていませんでした。現在では、変換効率がどんどん上がり、20%超が主流になってきました。またパネルも多結晶から単結晶にかわってきたり、量産効果から、パネルの価格はずっと下がってきました。

 

太陽電池の効率が上がる一番のメリットはコストダウンです。パソコンのCPUに似ています。ムーアの法則ほど早くはありませんが、太陽電池でも効いているように感じました。たとえば、100kwの発電所を作るときに、17%のパネルと、22%のパネルでは5%の効率差が出てきます。これは、5%分のパネルの枚数が少なくて済むということです。そうすると、極端ですが、5%狭い土地でもよいということになります。