発電事業がモチベーションアップに

50歳ぐらいになるとサラリーマン人生の先行きが、なんとなく見えてきます。銀行に就職した友人、赤、青、緑で多少の違いはありますが、いずれも50代前半で退職しています。子会社に行ければラッキーで、取引先に行くこともあります。いきなり給料が半分になったという人もいますし、転籍しても55歳までは保証されるという人もいますが、働くモチベーションはあまり高くありません。

大手電力会社にいった友人は57歳の時に役職定年となり、一般職になりました。放送業界の先輩は57歳で子会社転籍し収入は2/3になったそうです。身も心も元気なのに、年齢だけで「お疲れさん」と言われ、寂しい気持ちになります。

 

私は、サラリーマン人生の前半は販売とマーケティングに携わり、後半は企画部門や事業管理部門で過ごしました。本社勤め半分、販売部門が半分です。55歳の時に、子会社出向を命ぜられましたが、内心忸怩たるものがありました。給料も少し下がりました。しかも私が全く経験したことがない事業分野で、担当部門は競争が激しく、構造的赤字で、事業再建が簡単ではない事業でした。いわゆるレッドオーシャン、国内市場は頭打ち、自社に優位性がほとんどありません。

 

55歳にもなると、いわゆる花形のポジションではなく、誰もやりたがらない席しか空いていなかったのでしょうね。もちろん、贅沢も不平不満は一切言わず、すべてを飲み込むわけですが、モチベーションを保ち続け、生き生きと人生を送るにはどうしたらよいか、あれこれ考えました。

 

ちょうどその時に再生可能エネルギー事業と出会いました。収益性、社会性にも優れていますし、大袈裟ですが自ら新事業を開発するようで、とても楽しく感じられました。

 

事業部門にいるとP/Lを管理することがありますが、B/SやC/Fまで管理することはほとんどありません。しかしこれは自分自身が身銭を投資する事業なので、失敗は許されません。後述しますが、いろいろな環境分析スタディをしました。自分でP/L表とC/F計算書を作成し収益性も確認しました。いろいろな案件を比較調査し研究しました。私にとっては非常に楽しく、とてもやりがいを感じたのです。

会社から担当を命ぜられた事業より、事業としての将来性もあり、環境側面など社会貢献度も高い事業だと思いました。

 

昼は会社の業務で駆け回り、夜や土日は再生可能エネルギー事業の参入のための調査、計画策定で、うまく気持ちのバランスをとれたのだと思います。