労働資本と金融資本

30~40代の方が、脱サラして経済的自由を手に入れるために投資にのめり込まれています。それはそれでご本人の意思であり、人生なので否定するものではありませんが、正直、あまり良い傾向だと思っていません。

資本には労働資本と金融資本があります。このバランスを取ることが大切だと感じます。若くて働き盛りのうちは、労働資本の質を高め、人としての付加価値を高め、より良い社会を築くことに時間と労力を使った方が良いと思うのです。個人的な価値観ですが、自らの労働力で稼いだお金で生計を立て、子供を教育していただくのが全うだと思うのです。

 

中東の産油国に行くと、ショップやホテルで働くのはほとんどが出稼ぎのアジア人。アラブの方々は高級車に乗り、高級ホテルで豪華な食事を楽しんでいます。それは自ら稼いだお金ではなく、オイルマネーが還元されているにすぎません。国民が努力しなくても、裕福になれちゃうレンティア国家に将来はあるのか、甚だ疑問に感じます。地中からお金が湧き出てくるうちはいいですが、枯渇してしまったら、末路が見えてきますよね。

 

若い方々には、社会経験を積んでどんどん労働の質を高めて、ご自身の付加価値を上げることに比重を置いた方が良いと思うのです。

 

私はマネーリテラシーが高くなく、一生懸命身を粉にして働いたお金で生計を立て、ローンを組んでマイホームを買い、子供の教育にお金をかけてきました。さあ定年だと振り返ってみると、ほとんど貯金がありませんでした。60歳になれば再就職しても、たぶん収入は1/3~1/4に激減します。老後資金にも不安が残ります。頭も身体も徐々にパフォーマンスが落ちてくるアラフィフ、アラカン皆さんこそが、マネーリテラシーを高めた方が良いのではないでしょうか。

 

一般的に日本では50歳から55歳ぐらいが会社でのポジションも収入も高くなります。人生の中で一番属性が高い時期です。すなわち、ファイナンス(資金調達)能力が高く、ローンを容易に組めるということを意味します。キャッシュリッチな富裕層ではなくても、それなりの年収があれば、金融公庫や信販会社から融資を引き出せます。特に持ち家の方は、残債にもよりますが、信用が高いのです。借金できるということも一つの能力だと思います。人生のステージのうちで有利な時期をみすみす逃すのではなく、うまく利用すれば、レバレッジを利かすことができるのです。ある意味、事業を進める上で、非常に良い条件が整っているのです。